元ガソリンスタンド店長が教える本当にお得なガソリン用クレジットカード
※このコラムは最終更新日から7年以上が経過しています。掲載されている情報が最新ではない場合があります。
「1円でも安くガソリンを注げる方法を教えて!」
「ガソリンがカード作ったのに安くなっている気がしない」
直近ではレギュラーガソリンの価格が10週連続で値上げと言うニュースもあり、車を運転される方の中にはガソリン価格に頭を悩ませている方も多いでしょう。
実は私はライターとして独立する以前に、ガソリンスタンドで店長業務をしていた経験があります。
実際にガソリンの値動きや、値引きの仕組みを裏側から見ていた身としては「お得になる」と勧められているガソリンカードに疑問を感じてしまうことがあります。
今回は、元ガソリンスタンドの店長としての経験をもとに、本当にお得になるガソリンクレジットカードの選び方のコツをご紹介していきましょう。
目次
ガソリンカードのカラクリに注意
ガソリンカードを選択する際には、ガソリンカードを「お得に見せる」カラクリに注意して選ぶ必要があります。
数年ぶりにレギュラー価格が140円台を突破した昨今では、1円でも安くガソリンを給油するためにガソリンカードを探している方も多いでしょう。
本当にお得なガソリンカードを選択するためには、カードでガソリンがお得になる仕組みを良く理解しておく必要があります。
ガソリンカード選びを失敗してしまうと、現金で注ぐのと変わらない・または現金の方がお得、と言うケースもあるのです。
ここでは、特に紛らわしいガソリンカードのカラクリとなっている部分を解説していきましょう。
給油時に会員価格が適用、と言うカードには注意!
「給油時に会員価格が適用される」と言うと、お得な会員価格で給油することができると思ってしまいますよね。
しかし、ガソリンカードとしては、最もお得にならない可能性が高いクレジットカードの代表格となっています。
ガソリンスタンドの会員価格と言うと、
現金会員
クレジットカード会員
プリペイド会員
などと呼ばれることがありますが、要は現金会員と言うと「現金で給油する人」と言うことです。
中には、元売り系(コスモカードならコスモ系のガソリンスタンド)の特典に合わせて会員価格を適用している店舗もあります。
ただし、経験上ではガソリンスタンドで会員価格を適用している店舗は少なくなっています。
会員価格が適用!と思って給油をしていると、実際は現金で給油するのと同じ価格だったと言うには良くある話なのですね。
ここに注目!
中には、会員価格での給油にメリットがあるように見せるために、クレジットカード価格そのものを高く設定している店舗もあります。
通常のクレジットカードでは現金より1円〜2円高くなり、会員価格が適用されるクレジットカードでは会員価格で通常のクレジットカードよりも安くなる、と言うカラクリです。
カード選びと言うよりも店舗選びの問題になってきますが、店頭でのクレジットカード価格と現金価格の違いにもチェックが必要です。
ポイントアップに対応していないガソリンスタンドもある
ガソリンカードの中には、給油の際に共通ポイントが付与され、店頭価格よりも1円〜2円引き相当と言うカードもあります。
しかし、特に地方部のガソリンスタンドの場合には、共通ポイントのカードリーダー自体がない店舗も存在します。
ENEOSや昭和シェルと言った看板を上げている店舗でも、多くの場合はENEOSや昭和シェルからガソリンを仕入れている地元企業です。
あくまでも石油元売り系のキャンペーンに参加する、しないはその店舗の裁量となりますので、共通ポイントに対応していない店舗もあるのですね。
そうした店舗の場合、共通ポイントでの還元をうけることができず、結局普通のクレジットカード価格での給油になってしまうケースがありますので注意が必要です。
店頭でガソリンカードを利用する際には?
上記でも触れましたが、ガソリンを安く注ぐためにはガソリンカード選びも重要ですが、ガソリンスタンド選びも重要なポイントとなってきます。
優秀なガソリンカードを手に入れたとしても、給油するガソリンスタンドを失敗してしまうと、お得にガソリンを給油することはできません。
ここでは、店頭でガソリンカードを利用する際の、ガソリンスタンドの選び方を解説していきましょう。
クレジットカード価格と店頭価格を比べる
ガソリンの給油に特化したガソリンカードだけではなく、クレジットカードをガソリンスタンドで利用する際にはクレジットカード価格をチェックするのが重要です。
前述の通り、ガソリンスタンドによっては現金での給油価格よりもクレジットカード価格が高く設定されているケースがあります。
ガソリンスタンドの側からすると、1円の価格の違いが月間の売り上げの50万円〜100万円の違いに直結してきます。
クレジットカードの利用の場合にはカードの加盟店料などが必要なケースもありますので、小規模な店舗ほどクレジットカード価格を高く設定している店舗もあるのですね。
せっかく、ガソリンカードの特典で値引きになっても、元々のクレジットカード価格が現金より高く設定されていては意味がありませんよね。
ですので、現金価格とクレジットカード価格が同一の店舗を選択するようにしましょう。
ガソリンスタンド系カードなら店頭にPOP等あるか見る
ガソリンカードの元売り系が発行しているカードの場合、店頭のPOPや会員募集の張り紙などでそのカードの特典が手厚いかどうかを判断することができます。
私にも覚えがありますが、元売り系が発行するガソリンカードを獲得すると、ガソリンスタンドには仕入れ価格の値引きなどのメリットがある場合があります。
そうした背景から、カード獲得に力を入れているガソリンスタンドの場合には、元売り系ガソリンカードに独自の特典を用意しているケースがあります。
ガソリンスタンドの値段設定をする場合には、元売り系ガソリンカードと一般のクレジットカードで個別に値段を設定しています。
より、メリットを用意している店舗では、店頭の価格で元売り系ガソリンカードの値段を安く設定している場合があるのですね。
こうした、カード獲得に力を入れている店舗を探すのも、お得にガソリンカードを使えるガソリンスタンドを探すコツとなります。
本当にお得になるガソリンカードの条件とは?
ガソリンカードの値引きのカラクリと、お得に給油できるガソリンスタンドを探すコツをお話ししてきましたが、本当にお得になるガソリンカードの条件とはどのような点になるでしょうか。
お得に利用することができるガソリンカードの条件として、店舗での対応状況に関わらずお得になるガソリンカードと言う点が挙げられます。
その点を踏まえて、これならお得なガソリンカードと言えるカードの条件をお話ししていきましょう。
請求時にキャッシュバック・値引きのあるカード
クレジットカードの請求時に、キャッシュバック・値引きのあるガソリンカードの場合、店頭での対応状況を問わずお得に利用することができます。
会員価格が適用されると言うカードの場合には、店頭での会員価格の付け方によってメリットが変わってきます。
請求時にキャッシュバック・値引きがあるカードであれば、店頭で現金価格と同じ金額で給油をしても、請求時にカード料金から割引されます。
店頭での対応状況に関わらずに得をすることができる、と言う意味ではお得に利用できるガソリンカードの最低条件とも言えます。
ポイントアップがクレジットポイントで付与されるカード
クレジットカードのサービスの一環として、ガソリンの給油でポイントアップすることができるカードはお得なガソリンカードと言えます。
共通ポイントの提示などでポイントアップが謳われているガソリンカードの場合、店舗での対応状況に左右されます。
代表的なものとしては、
ENEOSではTポイントが付与
昭和シェルではPontaポイントが付与
伊藤忠では楽天ポイントが付与
などありますが、店舗によっては共通ポイントに未対応の店舗も少なくありません。
クレジットカードで給油をするだけでポイントアップをするカードであれば、店舗の対応状況も問答無用でポイントアップのメリットをうけることができるのですね。
対象となるSSが多いクレジットカード
これを言ったら身もふたもないことですが、地域によってどのSSが一番安いかは時期によって変わります。
各ガソリンスタンドの店長は、近隣のSSの値段を常に気にしており、自店のガソリン価格を決定します。
また、中には週末だけ店頭価格より〇円引き、などのキャンペーンを行っている店舗もあります。
クレジットカードでメリットがあるSSが固定されてしまうと、値段に関わらず給油するガソリンスタンドも固定されがちです。
値引き・ポイントアップの対象となるSSが多いカードを利用することで、そのタイミングで一番お得なガソリンスタンドを利用しやすくなるのですね。
値引き型・ポイントバック型どっちがお得?
ガソリンカードの中には、
値引き型
ポイントバック型
と2種類の特典が用意されています。
値引き型の代表と言ってもいいのが「ENEOSカードS」で、給油の際に店頭価格よりリッターあたり2円引きと言う特典があります。
ENEOSカードS
ポイントバック型では「楽天カード」は、ENEOSでの給油で100円に2%のポイントが還元される特典があります。
楽天カード
それでは、値引き型とポイントバック型のどちらがいいのか?と言うと、ENEOSカードSと楽天カードでは給油のタイミングのレギュラー価格によって、どちらがお得かが左右されます。
実際にレギュラーを30リッター給油した場合の還元額を比べてみましょう。
ENEOSカードS | 楽天カード | |
---|---|---|
リッター100円 | 60円還元 | 60円還元 |
リッター110円 | 60円還元 | 66円還元 |
リッター120円 | 60円還元 | 72円還元 |
と、リッターあたり110円を超えると楽天カードの方がお得になります。
値引きの場合はリッターあたり〇円引きと言うカードが多いのに対し、ポイントバックのカードでは金額に対するポイントバックのカードが多くなっています。
特に、近年のように1リッター当たりの金額が値上がりしている場合には、金額に対してポイントバックされるカードの方がお得と言って良いのではないでしょうか。
ガソリンカードを選択する際には、特典の付与条件にも注目することが必要となっているのですね。
- ENEOSカードSと楽天カードの比較について詳しくはこちら
ロードサービスは本当に必要?
ガソリンカードの中には、ロードサービス付帯を大きく謳っているカードがありますが、本当に必要なサービスでしょうか?
ガソリンカードでは、付帯サービス・オプションで24時間のロードサービスが付帯するカードが多くあります。
バッテリー上がりやパンク・事故などの際にレスキューしてくれるロードサービスは、あったら嬉しい付帯サービスのように感じられますよね。
しかし、近年ではロードサービスは、自動車保険の任意保険にほぼ全て付帯していると言っても過言ではありません。
無料でロードサービスは付帯するカードであれば優秀ですが、年会費が必要なカードやオプションでわざわざロードサービスを付帯させる必要はないでしょう。
海外デスクや付帯保険などの、ロードサービス以外のサービスが充実したカードを選択した方がメリットは大きいのではないでしょうか。
本当におすすめできるガソリンカードまとめ
優秀なガソリンカードの条件としては、店舗の対応を問わないこと、より幅広いガソリンスタンドで利用できることが挙げられます。
一般的にはガソリンカードとして認知されていないクレジットカードの場合でも、ガソリンカードよりも有利にガソリンを給油することができるカードはあります。
ここでは、ガソリンスタンド店長の経験を元に、今本当におすすめできるガソリンカードをご紹介していきましょう。
JCB CARD W
年会費 | 無料 |
---|---|
家族会員 | 無料 |
ETC | 無料 |
申込資格 | 高校生を除く18歳〜39歳の方 |
還元率 | 1.0% |
旅行傷害保険 | 最高2,000万円 |
お得になるSS | ・昭和シェル ・エッソ・モービル・ゼネラル |
昭和シェル・エッソ系で1.5%のポイント還元
いつでも通常のJCBカードの2倍の還元率
セブン-イレブンでは2.0%還元でお買い物が可能
昭和シェル・エッソ系のガソリンスタンドを利用する方には「JCB CARD W」がおすすめです。
JCB CARD Wではカード特典として通常のJCBカードの2倍の還元率でポイントを貯めることが可能となっており、通常還元率1.0%でカードを利用することができます。
さらに、昭和シェル・エッソ系のガソリンスタンドは、ポイントアップ加盟店のJCBオリジナルシリーズパートナーに設定されており、1.5%のポイント還元をうけることが可能です。
JCBオリジナルシリーズパートナーは幅広く、セブン-イレブンでポイント2.0%還元など、身近な店舗でポイントをお得に貯めることができます。
最高2,000万円の旅行傷害保険が付帯しているバランスの取れたカード構成も、JCBのプロパーカードならではと言うことができるでしょう。
楽天カード
年会費 | 無料 |
---|---|
家族会員 | 無料 |
ETC | 550円(税込) |
申込資格 | 高校生を除く18歳以上の方 |
還元率 | 1.0% |
旅行傷害保険 | 最高2,000万円 |
お得になるSS | ENEOS |
ENEOSでの給油でポイントが2倍
楽天市場でいつでもポイント3倍
最高2,000万円の旅行傷害保険も付帯したコストパフォーマンス
ENEOSで給油をされる方にはお得に利用することができるカードとなっているのが「楽天カード」です。
楽天カードは通常のカード利用のお買い物で100円に1ポイント・1%の還元率で楽天ポイントを貯めることができます。
また、ENEOSでの給油ではポイントが2倍となり、100円に2ポイントの楽天ポイントを貯めることが可能となっています。
貯まった楽天ポイントは、楽天のサービスや楽天ポイント加盟店で1ポイント=1円として利用することができますので、実質キャッシュバック還元と言っても良いでしょう。
カード特典として、楽天市場での利用ではいつでもポイントが4倍になる特典もあり、ガンガンポイントを貯めることができるカードとなっています。
ENEOSカード
年会費 | 初年度:無料 2年目以降:1,375円(税込) |
---|---|
家族会員 | 無料 |
ETC | 無料 |
申込資格 | 高校生を除く18歳以上の方 |
還元率 | 0.6% |
旅行傷害保険 | – |
お得になるSS | ENEOS |
ENEOSでの給油でいつでもリッター2円引き
普段のカードの利用でポイントも貯まる
年間1回以上のカード利用で年会費無料
ENEOSでお得に利用できるクレジットカードの代表格とも言えるのが「ENEOSカードS」です。
ENEOSカードSでは、ENEOSでの給油の際に1リッター当たり2円引きになる特典があり、ガソリンをお得に給油することが可能となっています。
ガソリン値引きのカードの場合、ポイントサービスなどが付帯していないことも多くなっていますが、ENEOSカードSでは普段のお買い物でも0.6%の還元率でポイントが貯まります。
貯まったポイントはキャッシュバックや他社ポイント・ギフト券に交換して利用することが可能となっており、ダブルでお得なクレジットカードとなっているのですね。
また、年間1回以上の利用で年会費が無料になる特典があり、完全にガソリン用のカードとして保有しておいても損のないカードとなっています。
本当にお得に給油できるガソリンカードで、1円でも安くガソリンを注ごう
今回は、元ガソリンスタンド店長である私が思う、本当にお得に給油することができるガソリンカードをご紹介してきました。
ガソリンカードの中には、リッター当たり40円・50円引きなど、インパクトの強いガソリンカードも多く発行されています。
しかし、そうしたカードの場合はキャッシュバックの条件が厳しかったり、月間の条件が決められていたりと、結局2円〜3円程度しかお得にならないことも多くなっています。
であれば、確実にポイントアップでお得に還元をうけることができるカード、またはENEOSカードSのようなシンプルな値引きカードがお得と言えます。
自分の良く給油に利用するガソリンスタンドとの相性も考えて、お得に給油できるガソリンカードをみつけてみてくださいね!